エンプティチェアとは
自己分析に活用できる心理学の技法
最後はエンプティチェア(空いているイス)になります。
「ゲシュタルト療法」というセラピーで使われるテクニックです。
エンプティチェアは、
2つの椅子(座布団でもいい)を用意して向かい合わせ、
一方の椅子に自分が腰かけ、もう一方の空いている椅子には誰かが座っているとイメージして、会話していく方法です。
座っている相手は、基本誰でもOK。
例えばエンプティチェアに怖い上司を座らせて、
「日頃はとても言えないけれど本当は上司に言いたいこと」を言うこともできます。
それだけでちょっとスッキリしそうですよね^^
でも、エンプティチェアの真骨頂はここから!
この次に自分が空いている椅子に移動して、相手になりきって返答します。
そうすると、たとえば
「俺は部下とどう関わっていいかわからないんだ」とか、
「君は骨があると思っているから、つい厳しくしてしまう」など、
意外な言葉が口から出てくるかもしれません…!
一度のやりとりではよくわからなくても、
何度か自分と相手の椅子を行ったり来たりする中で
出てきたものや感じたものに注目してみると、面白い答えに行き着くことがあります。
「いやでも、そんなの妄想にすぎないんじゃ…?」
と、疑問がわいてくるでしょうか。
確かに、本物の上司はそんなこと全く思ってないかもしれませんよね(^_^;
だけど椅子に座って実際にやってみると、
案外自分の中で
「ああ、そういうことなのね~」
と妙に納得して腑に落ちたりします。
そうして上司へのわだかまりがなくなれば、
現実の上司に対してもこれまでとは違った関わり方になっていきますよね。
すると、上司の方も以前より柔和な態度に変わっていったりして…
気付くと
「あれ?最近上司怖くないわ~」
と思ってるかもしれません。
つまり、
エンプティチェアで出てきたものは本当かどうかはわからないけれど、それよりも
自分にとっては何だか真実味が感じられるし、腑に落ちる
という感覚の方が重要だということ。
そしてそれを感じられた瞬間が、
「自分の中の葛藤が統合された」瞬間でもあるのだと思います。
椅子に座らせる対象は、人だけでなく…
エンプティチェアに座らせるのは、苦手な相手だけではありません。
好きな人でもいいし、もう現実では会話できない亡くなった人を相手にすることも可能です。
しかも、人じゃなくてもいいんです!
たとえば、自分の中に「~すべきと言う自分」と「~したいと言う自分」が対立している場合。
それぞれの自分を椅子に座らせて、交互に会話させることで考えを整理できたりします。
自分の考えがまとまらないのって、
いくつかの意見が絡み合って一体化しちゃってるからって場合もあると思うのですが、
エンプティチェアならその一つ一つを分離させて、それぞれの意見をじっくり聞いてあげることができます^^
他にも椅子に座らせる対象として、病気の症状や身体の一部…なんていうのも可能だそうですよ。
(私も過敏性腸症候群の症状と会話してみようかなぁ…)
エンプティチェアのおすすめ図書
このブログを書くにあたり、こちらの本を参考にしました。
「不登校の子ども」や「病気」などに対して行ったエンプティチェアの事例が載っていて、それぞれ気付きの内容が面白いです。
でも心理学の専門書のため、全体的にちょっと取っつきにくいやもしれません…
なのでこちらの1冊もおススメします。
「毒親といえばこの漫画家さん!」と言っても過言ではない、田房永子さんのご本です。
この作品の中で田房さんがエンプティチェアをされていて、
その時の感情や身体感覚(フェルトセンス)の変化などをとても繊細に描かれています!
空いている座布団に、田房さんを長年悩ませていたお母さんを座らせる場面もあります。
お母さんに言いたいことを言ったり、逆にお母さんになり切って返答してみたり。
その中でどんな気付きがあったのか?
面白いので、未読の方はぜひ…!
最後に
エンプティチェアについては、以上となります!
イメージで遊ぶように進めていくこの技法は、人によってはどうしても難しく感じるかもしれません。
一人でやる場合は、
フォーカシング(※前の記事)をある程度身に着けてからの方がエンプティチェアで気づきを得やすいと思いますので、良かったらそちらもぜひご覧ください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
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